蒸留器　銅製アルコール蒸留器　☆アルキタール

□アルキタールの蓋はお椀のような形をしており、内部は
　半球上の部屋で、水蒸気を集め、ここに集まった水蒸気
　は上部の水で冷やされている蓋の表面に触れると冷却
　され、液体となり蓋の下部にある液体パイプから排出さ
　れます。
　この冷却槽を兼ねる蓋に水を注ぎ、温かくなった水は蓋
　の上部にある温水パイプから排出されます。

□アルキタールは伝統的なリベット接合により作られています。
　また場所によっては溶接による接合が行われていますが、接合部は真鍮や銅で溶接され
　おり、人体に有害な鉛は使用されておりません。

□これらのモデルはイベリア半島ではスピリッツなどのアルコール
　蒸留に用いられ、精油、薬草の有効成分抽出、ローズウォータ
　ーなどの香水など様々な蒸留に用いられています。

□このタイプには０．７Lの小型のものから３００Lの大型
　のものまであり、上記写真の０．７Lはアルコールバー
　ナーで、３Lや５Lの小型は一般に家庭のガスコンロで
　使用され、大型はプロパンガスバーナーを用いて屋
　外で使用します。　
□ポットの中にはリベットタイプですので、緑がかった人
　体には全く無害の防水用パテは塗られています。

□アランビックと同様に、このタイプも蓋とポットはピッタリと閉じられるようには作られておらず、
　やはりここから水蒸気がもれますのでライ麦粉を水で練ったものを貼付するかタオルなど巻く
　必要があります。ピッタリと作られていないのは火に長時間かけ、使用後に蓋とポットが外れなく
　なることを防ぐためです。

□このタイプは一般的なアランビック型のデザインとは異なり、その蓋
　が冷却槽の役割を果し、スペースも取りません。
　この蒸留器はムーア人の影響を強く受けており、アランビックよりか
　なり古く、最初に東洋で用いられたようです。アルキタールは非常に
　優れたアルコール飲料（グラッパやカルバドスなど）を製造している
　ポルトガルやスペインで特に好まれ、多くの蒸留所はこのアルキター
　ルで蒸留するとよりゆっくりと蒸留することが出来る点を評価して
　おり、他のタイプの蒸留器を使わないようです。