アルコール蒸留器　植物酒☆アブサン☆ラム☆テキーラ

ラム---ラムはジャマイカ、バルバドス、ギアナ及び南アメリカは非常にポピュラーな飲み物です。これはサトウキビ
ジュースから取れる糖蜜から作られますが直接サトウキビジュースからも作られます。工業的なラムの生産には糖蜜
が用いられ、この糖蜜はサトウキビを精製する際に得られ、１７世紀ではほぼ生産されるラムの９０％がこの方法によ
るものでした。最初にラムが蒸留されたのはスペイン、マラガ地方のムーア人よるとさています。しかし、サトウキビ
の作付けの広がりと共にラムの蒸留が広まり、それはクリストファーコロンブスの時代まで遡り、彼の船でカナリア諸
島から運ばれていたようです。ラムについて書かれた17世紀の書物によればラムは治療用の飲み物でイギリスの
船乗りの間では滋養強壮剤と考えられていました。

サトウキビは収穫されると砕かれ、砂糖が精製される過程の副産物として糖蜜のラムの主原料となります。このベ
ースにイーストと水を加えます。発酵させる時間はラムのタイプにより、ホワイトラムは２４から48時間、ダークラム
は2,3週間発酵させます。この時点でのアルコール度はおよそ4から６％です。
ダークラムの場合は蒸留は銅製の蒸留器でリフラックスタイプあるいは伝統的なアランビックタイプで行われます。
熟成はホワイトラムの場合樽の中で3から５年寝かせ、ダークラムは焦がした樽で3から15年寝かせます。一般的に
販売されているラムのアルコール度は４０から４５％ですがジマイカラムの中には７５％とアルコール度の高いもの
もあります。

ラムには６タイプあり、ホワイトラム、ゴールドラム（より長く熟成）、ダークラム（キャラメルカラー）、フレーバーラム
スパイスやフレーバー添加）、ハイプルーフラム、プレミアムラム。これらのラムはその製造法や材料を工夫するこ
とによって類似のものを蒸留することができます。糖蜜があればイーストと水を加えて、無ければブラウンシュガー
を代用にすることもできます。軽い味のラムならばヘッドとテールを除き、一方より濃い色のラムの場合はそれほど
それらを正確に除く必要はありませんがメタノールを含むヘッドの部分は捨てなければなりません。

テキーラ---テキーラはコニャックやポートワインとちょうど同じメキシコのEau-de-vieでその生産は法律で５つの
地域（Jalisco,Guanajuato,Nayarit,Michoacan,Tamaulipasの各州)のみで許されています。テキーラは最初、ブルー
アゲービ（リュウゼツラン）から”パルケ”に似た飲み物を蒸留していたスペイン人の征服者によって蒸留されました。
パルケはアルコール度の低い（4から８％）発酵飲料でビタミン類に富み、リュウゼツランあるいはMagueyの砂糖状
の樹液から作られています。この飲料は地域のお祭りの際にアステカ族によって消費されていました。当時、ワイン
は食事の時には必ず飲まれており、南アメリカ大陸にたどり着いたスペイン人はワインの無く、またワインを作るぶ
どうもないためにジレンマに陥っていました。パルケではアルコール度が低く彼らの味覚を満足させられず、パルケ
に似たリュウゼツランの砂糖状の樹液をベースにした発酵飲料を蒸留して独特のスピリッツを作った様です。これが
テキーラの最初のプロトタイプの誕生です。

ブルーアゲービは完全に成熟するまで１０から１２年かかり、高さが６０cm、直径４５cm、重量は５０Kgにもなります。テキ
ーラには収穫後、とげのような葉を取り除き、その芯が用いられます。テキーラは少なくともこのアゲービを５１％以
上含みますが、またとうもろこしやサトウキビの蒸留液も混ぜまます。上質のテキーラはアゲービのみで造られま
す。他のものをブレンドしたものは”Mixto"と呼ばれています。

テキーラを造るには幾つかのステージを経なければなりません。先ず充分に熟したアゲービを収穫し、芯のみを取
り出し、きざんでから48時間大型のオーブンで蒸します。これらを砕くと、液が滲み出てくるのでこの液体をイース
トや砂糖、水を加えて２日間発酵させます。発酵はステンレススチールのタンクで温度が３０から４２℃の間を保つよ
うにして行われます。

蒸留は銅製の蒸留器、アランビックタイプで2度行われます。この際、ヘッド、ハート、テールの管理は正確に行われま
す。そして古い白オークの樽で独特の味、香り、色を得るために熟成させます。熟成の過程は一定ではなく作り出す
テキーラの品質により異なります。白（Blanco)あるいはシルバーは２，３ヶ月。Reposadoテキーラは1年。Anejoテキー
ラは1から３年。Oro（キャラメル状の色と味）は９年。テキーラは１０年以上熟成させることができ、またその価格もコニ
ャックに匹敵します。

ボトル詰めしたテキーラはアルコール度３８から４５％。テキーラはストレートで飲みますが、先ず、手の甲に振った塩
を舐め、一気にテキーラをあおりってから、レモンの切れ端を絞りって飲みます。メキシコでは有名なサングリアを
チェーサーにして供されています。

アブサン---アブサンはグリーンファリー（緑の妖精）としても知られている有名なスピリッツでワームウッド、
アニス、あるいは芳香ハーブ類のスターアニス、アニスシード、フェンネル　リコライス、ヒソップ、ベロニカ、レモ
ン、バームアンジェリカルーツ、ディッタニー、コリアンダー、ジュニパー、ナッメグなどから作られています。この
リキュールのキー成分はワームウッド（Artemisia Absinthium)はヨーロッパ、アジアなどの生息している植物で
その灰色っぽい葉が独特の苦味とグリーンカラーを醸し出しています。アブサンの主原料はThujoneという有毒
の化学物質が含まれており、十数年前はこの物質の含有量が高く、中毒や幻覚を引き起こしたため、世界中の多
くの国で製造販売が禁止されていました。
このスピリッツはスイスおよびフランスで最初に製造され世界中に広まりました。
ギリシャのヒポクラテスはこのスピリッツがリウマチ、貧血、生理痛に効果があると推奨していました。しかし、当時
の製造法は現代のものと異なっており、多分、現在のアブサンの製造法は1792年、ピエールオルディナリエによっ
て発明されたようです。
19世紀になるとヨーロッパのボヘミア文明と相まってアーティスト、ライター、詩人などに広まり、バン・ゴッホ、パブ
ロ・ピカソ、ボードレール、エドガー・アランポー、アーネスト・ヘミングウェーなどにこの緑の妖精は愛されましたが、
しばらくするとそのミステリアスな効果ばかりが宣伝され、多くの国で販売が禁止されたようです。
今日のアブサンはアルコール度６０から７０％で伝統的な方法で供されます：　幾つもの小さな穴の開いたスプーン
の上に角砂糖を乗せて、アブサンの入ったグラスの上に置き、ゆっくりと水をかけると、アブサンは水で薄まりなが
らエメラルドグリーンからミルキーグリーンに変わります。（この色の変化はロウシェ”Louche"と呼ばれています）

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アブサン		ラム		テキーラ